[2000.04.24]
  明確な未来のための鍵


 ▼Jobs氏が株主に披露した「Appleの未来」(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0004/21/n_applef.html


 鍵は,いつも見つからないものだ。確かにそこにあると思っていても,必要なときには見つからない。扉は開かない。だが稀に,その能力を持つものも,いる。

 アップル社は20日に,年次株主総会を行い,取締役会を再選し,その後,質疑応答を行った。CEOのスティーブ・ジョブズの主な発言は以下。モトローラ社がG4チップの供給をうまく行えなかったときに,一時的に緊張関係があった。だが,モトローラとIBMとの関係は今後も続き,インテルCPUの採用はあり得ない。アップルはコンシューマー用に「刺激的な新製品」を考えている。

 ほんの数年前まで,あきれるほどの不満と怒号の質疑応答が繰り返されていたアップルの株主総会は大きく変わった。出される不満や苦情は微々たるもので,より美しい未来への展望が期待される。実質的に大きく変わったのは真ん中に座っている人物だけなのだが,その違いはなによりも大きい。人に期待をさせられる人物というのは,思っているほど多くない。シリコンバレーでも,限られている。死のどん底まで落ちたアップルだったが,最後の首の皮一枚で,彼を迎えられたのは,ある意味,奇跡,だったのかもしれない。

 最近,凪のように静かなアップルの製品情報だが,Mac the Forkは,7月19日のマックワールドエキスポ/ニューヨークでのiMac G3/600MHz,マックOS X発売開始などを取り上げている。取るに足らない不安はいくつでも落ちている。だが,光りある明確な未来を明示できる鍵は,ひとつしか落ちてない。その鍵を見つけ,使うことができるのは幸せなことだ。未来の扉を常に開ける幸せを,株主たちは味わっている。


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